エアロプレス

エアロビーっていう、フリスビーを作ってる会社がなぜか開発した抽出ツールです。
ほんとビジネスには垣根がないですね。

結構メジャーな抽出方法で、エアロプレス大会とか世界中で開催されています。
ちなみにエアロプレスを知ってると、ちょっとコーヒーに詳しい人っぽくなれるので、形から入る僕みたいなタイプの人にもおすすめです。

圧力をかけて抽出することで、エスプレッソのような強い風味を抽出することができたり、紙のフィルターを通すことでドリップコーヒーのようなあっさりした口当たりが作れたりという、地味ながら画期的な抽出法です。掃除が簡単なのも◯。

またレシピごとに全く違う味になるのと、
時間と分量が同じなら、ほぼ誰でも同じような味を作ることができる簡単さも特徴になります。

ちなみに僕のレシピは、ドリップコーヒーよりも少し濃く、風味が強いものになります。


<準備するもの>

豆:14g

水:180ml

エアロプレス(amazonで3000円ぐらいで買えます)

かき混ぜ棒or長いスプーン(エアロプレスを買うとついてきます)

スケール(あれば)

グラインダー(手挽きでも機械でもOK)

エアロプレス用フィルター(紙・金属どちらでもOK)

(予備知識)

繊細な注ぎ方が必要とされずケトルがいらないので、
ヤカンダイレクトで全然OKです。

エアロプレス用フィルターは、紙だとドリップコーヒーのようなあっさりとした口当たりに、金属だと油分が一緒に抽出されるので、フレンチプレスやエスプレッソのような濃厚な感じが味わえます。
(僕はDISKコーヒーフィルターってやつ使ってます。下のやつ。2個入りです。)

<順番>

1.豆を挽く

2.水を沸騰させる

3.エアロプレスを準備する

4.お湯を注ぐ

5.もう一度かき混ぜる

6.エアロプレスをセットする

7.抽出する

8.飲む

おわり!簡単!!この説明でOKな方は今すぐゴー!
もう少し詳細な説明は下をご覧ください。

 

<詳細>

1.豆を挽きます

14gの豆を中挽きにします。(下の写真ぐらい)

スケールがない場合は、だいたいコーヒースプーン一杯ぐらいが14gになります。

 

(予備知識)

エチオピアみたいな小さい豆だと一粒だいたい0.1g、エルサルバドル・パカマラ種のような大きい豆だと0.2-3gぐらいなので、もし暇だったら数えてみてください。笑

僕は、気持ちドリップコーヒーより粗めにします。
というのも圧力を加える関係で結構味が強く出がちで、口当たりが強くなりすぎちゃうのが嫌なので、すこーしだけ粗くします。

でもまあこれも好みなので、いろいろ試してみてください。


2.水を沸騰させます

水の温度は80-85度ぐらいがオススメです。だいたい、電気ケトルで沸かしたお湯を、コーヒーケトルに移し入れて、5分ぐらい待つとそれぐらいの温度になります。

 

(予備知識)

これも豆の挽き具合の理由と同じです。
味が強くなりすぎないよう、少しまろやかなレベルに保つために水温は低めです。

でも、これも好みなので慣れてきたら色々変えてみてください。
変えたら、ちゃんとメモして自分の好きな味をいつでも再現できるようになるとプロになれます。(ドヤ顔)

 

3.エアロプレスを準備する

エアロプレスの押すピストン側を下にしてセットし、コーヒー豆を入れます。

そのあと、黒いプラスチックフィルター部分に、紙or金属フィルターをセットし、水で濡らしておきます。
濡らしたら、隙間のできないように指でしっかりと伸ばします。

ちなみにこんな風に水を注ぐと、後からテーブルの上がちょっとした洪水的なことになり、大変なことになります。(経験談)
奥さんやお母さんがいる方は間違いなく怒られるので、
ちゃんと下に何か敷くか、シンクの上で水をかけてくださいね。

 

(予備知識)

これは、英語でインバート式と言われる淹れ方です。他の淹れ方もあります。
バカとハサミは使いよう、とよく言われますが、まあ色々使い方があるってことです。

 

4.お湯を注ぐ

180mlのお湯をゆっくり一気に注ぎます。注ぎながら、コーヒー粉をかき混ぜ棒でかき混ぜます。

 

(予備知識)

コーヒーの淹れ方には、大きく分けて透過式と浸透式があります。

透過式というのは、エスプレッソやドリップコーヒーのように、お湯が豆を通過することによって抽出するやり方です。
一方浸透式というのは、緑茶みたいにずっと豆をお湯に浸け続けることによって抽出するやり方です。なのでエアロプレスは、浸透式です。

 

5.もう一度かき混ぜる

最初のお湯を注いでから、だいたい1分後に、再度全部をかき混ぜます。

 

6.エアロプレスをセットする

黒いフィルターの蓋を閉め、逆さにしてコーヒーを抽出します。

この時少しピストンを引いてあげると、
よくわからないですが表面張力かなんかの関係で勝手にコーヒーが落ちないのでオススメです。

 

7.抽出する

ピストンをゆっくり押しながら、コーヒーを抽出します。

この時、最後まで押し切るとシューっという音で気泡が出てくるのですが、
個人的にはその気泡の感じが好きじゃないので、最後のちょっと手前で抽出を止めます。

 

8.飲む

コーヒーを飲みながらぼけっとします。


 

<ちょっとマニアックな知識>

*ちょっとマニアックな知識を話したいがために、淹れ方のページを作ってる感があるのは否めません。それが職人です。職人魂。はい。

 

浸透式と透過式の違いについて。

上でも触れたとおり、コーヒーには2種類の淹れ方があります。
どちらも抽出時間が長いほど、収率と濃度が上がるのですが、その上がり方には差があります。

そもそも、抽出って物理的に何を指すのでしょうか?
抽出にはステップがあって、

1.コーヒー粉の外側に水が触れることによって、成分が剥がれ落ちる

2.剥がれ落ちた成分が、水に溶け出す

となります。

そしてここが重要なポイント。
この抽出のスピードは、溶ける固形物(コーヒー粉)と溶かす液体(お湯)の固形物濃度の差によって決まります。

理科の実験で食塩水を作る時、最初はめっちゃすぐ溶けるのに、塩を足していくごとにだんだん溶けにくくなったのを覚えてますか?
それです。多分。詳しくは理系の大学を出た人に聞いてください。

なので、浸透式においては、コーヒー粉全体が一気に水に浸かるため、抽出開始時に一気に成分が溶け出します。でも、液体の固形物濃度がすぐに高くなるので、そのスピードはすぐに遅くなります。

逆に透過式においては、コーヒー粉に接する水が少ないので、最初こそゆっくり成分が抽出されますが、常に濃度0%の水を供給し続けるためコーヒー粉との固形物濃度差が大きく、抽出スピードが速くなります。

だからなんやねん?って話なんですけど、
この考え方は、コーヒーの挽き目レベルを考えるのに役立ちます。

抽出時間が短い浸透式抽出法ほど、挽き目を細かく、
抽出時間が長い透過式抽出法ほど、挽き目を粗くすることで、
だいたい同じような収率と濃度のコーヒーを抽出することができる、という考え方です。

まあとはいえ、自分もこの考え方からあえて外れて、
浸透式のエアロプレスの挽き目を、透過式のドリップよりも粗くしてるので、
まあ人それぞれですね。飲んでみて美味しい、が一番大事です。笑
(でもそのぶん豆と水の量をいじって濃度調整しています。これは試行錯誤の結果です)

でも、理論を知った上で自分のやり方を考える方が、
自分の好きな味を作るのの近道になるのは間違いないので、一応紹介してみました!笑

では。

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