みなさんこんにちは。
今日は前回の続き、
コーヒーがお店に届いてから飲めるようになるまでを説明します!!
前回までの復習はこちら↓↓
*コーヒーは実は果物である
*人類と同じアフリカ出身
*大きく分けて2種類ある
>詳しくはこちらの記事を参照
*コーヒーの精製は非常に重要
*大きく3種類の方法があり、味わいが大きく変わる
>詳しくはこちらの記事を参照
今日はもう少し先、
農作物としてできたコーヒー豆が、
どう加工され、飲み物となるのか、というところを説明しますね。
焙煎について
精製後の豆は生豆と呼ばれます。
「きまめ」と呼びたいですが
「なままめ」と呼ばれることの方が多いです。
ちなみに中国語では「シェンドウ」
英語では「green coffee」ですね。
生豆って、こんな感じの見た目です。
白っぽくて、
いわゆるコーヒーっぽい香りは全くしません。
そしてめちゃめちゃ硬いです。
飲んでみる気にはならないのですが、
生草のような味がするそうです。。
だったらほうれん草でも買った方がいいですね。
ちなみにコーヒーっぽい香りはしないのですが、香りはあります。
香りが特徴的なコーヒーは、
生豆の時点でとてもいい香りがするものも多いです。
コーヒー屋さんしかわからない話だと思うので、興味があればウチまで生豆を見にきてください。笑
脱線しましたね。
じゃ、その生豆をなぜ焙煎するかってことですが。。
いやそもそも焙煎って何やねんって感じですね。
乾煎りってわかりますか?
ナッツとかスパイスとか、料理の時に風味を引き出すためにフライパンで油を引かずに炒めるあれです。
乾っていうのは、水とか油とかを使わないってことです。
つまり焙煎というのは、
水や油などの熱媒体を使わず、
直接熱を入れるプロセスのことを指します。
英語でローストなので、
ローストビーフとかロースト玉ねぎとかと同じですね。
原理的には焼肉や焼き魚も同じです。
コーヒー豆の焙煎って
フライパンでもできますし、
網の上で直火でもできますし、
オーブン的なやつの中で焙煎する方法もあります。要は熱が入ればいいのです。
ちなみに、インドネシアやベトナムでは
バターや油と一緒に加熱したりもするそうで、
そうなったらもうローストじゃないのですが、多分なんでもいいんでしょうね。
コーヒーは自由です。
で、なんで焙煎が必要なの?ってことですが、それはもちろん
生のままだとクソまずいから
ですね。自明です。
ちゃんと言うと、
コーヒーは熱を通すことによって、複雑な風味や酸味、苦味が出て、美味しくなるのです!!!(ドヤ顔)
簡単に細かく(どっちやねん)説明しますね。
まずコーヒーは、熱を通すことによって中の水分が蒸発していきます。
中の水分、と言いましたが
コーヒーは精製過程で乾燥させているとはいえ、成分の14%程度は水です。
なので焙煎の過程で蒸発していきます。
さて、水が100℃以上にならないのは小学生の時に習ったかと思うのですが、
水が抜けていって初めて、コーヒー豆は順調に熱が入り、温度を上げていくことができます。
そうして温度が上がっていくと、
メイラード反応が起こります。
これは150℃以上の温度の時、酸が分解される化学反応なのですが、
この時にコーヒーの中に複雑に入っているアミノ酸化合物が分解されていき、
それが複雑な風味を生み出すと言われています。
なおメイラード反応は料理の世界でも重要らしく、
料理人の友達曰く、
「肉はメイラード反応を起こすことで最も風味が引き出されるので、どんな料理を作るにせよ、水や調味料を足す前に、必ず肉にしっかり火を通すことが料理の美味しさにつながる」らしいです。超ドヤ顔でした。
色々と通ずるものはありますね。
まあ他にも起こっている化学反応はあるのですが、複雑になるのでここではこれぐらいにしておきましょう。
大事なことは、
コーヒーは、焙煎を通すことで複雑な風味や酸味、苦味が出て、美味しくなるということなのです!!!
さて次に、
浅煎りと深煎りの話をします。
これは、焙煎度合いを表す指標なのですが、
火入れが弱い順に、浅煎り、中煎り、深煎りとなります。
人によっては、ライトローストとかシティローストとかフレンチローストとか使いますが、基本は同じです。浅いか深いかです。
浅いと、酸っぱく、甘く、苦味の少ない味わいに。
深いと、苦く、酸味の少ない味わいになります。
先ほどのメイラード反応、並びにキャラメル化反応(今度説明しますね)によって、熱が加わるごとに酸(酸っぱさ)と糖(甘さ)がどんどん分解されていくので、深ければ深いほど酸味・甘みが少なくなります。
また、別の苦み成分群(詳しくは今度説明しますね)が化学反応の結果出てくることによって、熱が加わるごと(深煎りになるごと)に苦くなります。
なおコーヒーの風味って色々ですが、
僕の経験上、同じ生豆を焙煎すれば、浅煎りだろうと深煎りだろうと、風味は大きく変わらないと思っています。
ただし、フルーティーなフレッシュな風味は酸味と紐づいており、
チョコレートのような甘い風味は苦み/香ばしさと紐づく傾向にあるので、
基本的には柑橘系・フローラル系の香りは深煎りになるにつれ消えていきます。ベリー系の香りは深めにするとジャムっぽく濃厚な感じになりますし、スパイス系やビターチョコレートの香りは、中煎り以降に出てくることが多いイメージですね。
なので、
浅煎りはキリッとフレッシュな感じ。
深煎りは濃厚で甘苦い感じの味わいがあります。
僕自身フルーティーなコーヒーの方が好きなので、比較的浅めに煎ることが多いです。
勘のいい人は気づいたかもですが、
深煎りの方が甘さが分解されている=「甘くない」のに
なぜチョコレートのような甘さを感じやすいのか、
ちょっと矛盾している感じしません?
実際結構多くの人が、深煎りのコーヒーの方が甘いと言っています。(経験談)
諸説ありますが、
一つは、酸味のインパクトが強くて甘みを感じられないパターン。
玉ねぎ理論ですね。
本来玉ねぎには豊富な甘みが含まれているのに、辛味成分が強すぎるので生だと甘さが感じにくい、と言うやつです。
火を通すと辛味が分解・揮発していくので、隠れていた甘さが際立ち、徐々に甘く感じます。
だから、酸味に慣れるとコーヒーの甘さがすごくわかります。
もう一つは脳の錯覚パターン。
かき氷のシロップ理論ですね。
かき氷のシロップは、実は着色料と香料以外、成分が全く同じなのですが、
その見た目と香りで脳が錯覚を起こし、結果違う味だと認識してしまうっていうあれです。
いちごもレモンもブルーハワイも実は同じ味ってやつですね。
(てかいつも思うけどブルーハワイって何味なんだろう。。)
同じようにチョコレートのような香りは、脳が「これは甘いものだ」と勝手に認識・錯覚しちゃうのです。
なので実際は甘くなくても、チョコレートの香りがするだけで甘く感じてしまう、という現象が起こります。
以上、無駄知識でした。
本当は今日、焙煎->抽出まで終わらせる予定だったのですが、
焙煎のところで思ったより語ってしまったのでまた今度にします。。。
長々とお付き合いありがとうございました!