BASTET COFFEEの焙煎

<焙煎と味の特徴>

BASTET COFFEEのコーヒーは、甘くてフルーティーであることを大切にしています。

元々コーヒーはフルーツの種。糖度は18-22と、実はりんごや桃以上、完熟のバナナと同じぐらい甘い果物なのです。それが土地のテロワール、品種的特徴、また生産者の丁寧で独創的な処理(プロセス)によって、”甘さ”と”香りのもと”(前駆体)を豊潤に含んだコーヒー生豆が出来上がります。
私たちが扱う「スペシャリティ」と呼ばれるコーヒーは、その中でも優れた甘さと酸味、個性的なフレーバーを持つことが特徴で、一口飲めば誰でもわかるほど、一般流通のコーヒーとは一線を画します。
その甘さと香りを最大限引き出すのが、私たち焙煎士の役目。
私たちはコーヒーの種類はもちろん、温度や湿度、天気によっても異なる、最適な焙煎方法を研究し、日々改善をしながら焙煎に取り組んでいます。
焙煎度は浅煎りが中心です。
スペシャリティコーヒーの特徴は、なんといっても酸味。酸の質が、コーヒーの香りや味に大きな影響を与えます。酸味のないコーヒーがフルーティーと感じることはありませんし、コーヒーの甘みが最も残るのも浅煎り。
極端な焙煎のコーヒーや、劣化したコーヒーに感じる「ただ酸っぱい」は美味しくないですが「フルーツのような酸味」はワインや熟した果物を食べているような複雑で甘い味わいを感じられます。
またBASTET COFFEEのコーヒーは苦味がほとんどなく、コーヒー本来の香りと味を楽しめるだけでなく、苦味が苦手な方でも飲みやすい味わいに仕上げています。(かくいう私も、元々コーヒーの苦味が苦手でした)
またBASTET COFFEEは、ドリップ用・エスプレッソ用などのブレンドを作っていません。全てのコーヒーで色々な飲み方ができた方が楽しいと思っているからです。
ドリップコーヒーはもちろん、ミルクを入れても、エスプレッソにしても、どんな飲み方でも楽しめます。ぜひお気に入りのコーヒーを見つけて、自分のスタイルでお楽しみください。


 

<北欧×台湾の焙煎スタイル>

BASTET COFFEEの焙煎は、HTST(High Temperature Short Time)と呼ばれる高温短時間焙煎が基本。コーヒーの香りを重視する北欧で広がった焙煎方法がベースになっています。京都で開店する前は5年間台湾・台南で焙煎していたのもあり、甘さを重視する台湾(台南)式の焙煎スタイルもミックスされています。
台湾はフルーツ大国であり、かつ昔から台湾茶の華やかなフレーバーを楽しむ文化がある国です。それはコーヒーに対しても同じで、チェーンのコーヒー屋さんでもシングルオリジンから選べるのが当たり前、コンビニでもドリップコーヒー(手で淹れてくれます)が提供され、特にフルーティーな特徴の強いコーヒーが好まれます。
そんな中で試行錯誤を重ねてできたのが、今のBASTET COFFEEのレシピです。フルーティーで、コーヒー本来の甘さが感じられる味わいをお楽しみください。

 

 

<焙煎機について>

焙煎機は、ずっと愛用している台湾製のものを台湾から輸入し、使用しています。 火力と風力のコントロール幅が広く、窯の蓄熱性も優れており、世界最大の焙煎競技会(SCA)の台湾大会指定マシンとなっていたものです。
また台湾のコーヒーショップは非常にオープンで、自身の焙煎レシピを他のお店と共有し合って、より良い焙煎を目指す文化があります。私たちもそうして焙煎をブラッシュアップさせてきました。
現地でしかなかなか出会えない台湾独自の味わいを、ぜひ一度お試しください。