コロンビア｜ラ・ロカ イエローブルボン, ウォッシュド

プロセスに定評のあるCOE常連「ラ・ロカ農園」が手がけた、発酵時間を伸ばしたウォッシュドコーヒー。

味は”爽やか”＆”華やか”のフルーティーハイブリッド。
花のような華やかな香りに、柑橘やリンゴ、キウイのようなスッキリと明るい酸味、そして口いっぱいに広がる蜂蜜のような甘さ。
爽やかなコーヒー、華やかなコーヒーは数あれど、うまくバランスさせたコーヒーは希少だと思います。

コーヒーのピュアな部分を引き出したかのような、綺麗な味わいをぜひお楽しみください。

最近のコロンビアといったら、特殊プロセスから来る個性的な味わいがメインヨネ。
ワタシもたくさん紹介をしてきたけれど、、、この子は少し違うタイプなの。

香り＆甘さを引き出す発酵工程は挟むけれど、ベースはウォッシュド。特殊な味を作るよりも、コーヒー本来の味わいを引き出すプロセスなの。
なおプロセスは「ラ・ロカ」。世界中のコーヒーマニアに有名な、コロンビアでも有数のプロセスが上手い農園ヨ。

さてラ・ロカのイエローブルボン。
言っちゃあ悪いけれど、イエローブルボンって珍しくない普通の品種。そしてプロセスもウォッシュド。綺麗なコロンビアっぽい味になるのかしら？と思ったらこれだワ。

「エエエ！？これがイエローブルボンのウォッシュド？」
テイスティング会で初めて飲んだ一杯は、それはもう衝撃的。ゲイシャやピンクブルボン、インフューズド含め数十種類あった中で、最初に決めたコーヒーがこれヨ。一目惚れとは、こう言うことを言うのネ。

ワタシの推しの一杯。アナタとワタシ、気が合うかしらネ？

— バステト記 第八章 二十五節 (From the Book of Bastet, Chapter Vlll, Verse 25)

イエローブルボン (Yellow Bourbon)

コーヒーの先祖であるブルボン/ティピカの配合種。
ブルボン(Bourbon)と、突然変異で赤い実が黄色くなったイエローティピカ(Yellow Typica)の自然配合によって生まれました。

収穫量が多くなく、長らく注目されていませんでしたが、通常の赤いブルボンよりも甘さを持つことから、スペシャリティコーヒーの盛り上がりと共に有名に。
ブラジルで多い品種ですが、コロンビアでも最近はちらほら見かけます。ブラジルとは土壌・気候条件からプロセスまで全く違うので、イエローブルボンのイメージが覆るかも。

ウォッシュド (Washed w/ 48h Controlled Fermentation)

ウォッシュドの後に何やらややこしいタイトルがついています。
綺麗でなめらかなコーヒーを作るため、ベースはウォッシュド。そこに、発酵時間を伸ばして風味を引き出す目的で、嫌気性/好気性発酵を加えています。

最初は通常のウォッシュドプロセスで進むのですが、果肉除去をした後に、48時間の発酵を挟みます。発酵中は嫌気性(酸素に触れない)/好気性(酸素に触れる)を使い分け、細かく管理をしながら発酵を進めていきます。
時間はそれほど長くないものの、この部分がコーヒーのポテンシャルを引き出す要。ラ・ロカ農園によるプロセスは、このやり方が使われることが多いです。

その後は水での洗浄、乾燥と続きウォッシュドに戻ります。
発酵プロセスを挟むものの、全体ではクリーンでスッキリした味わいにまとめられています。素晴らしい。

FLOW:

1. 収穫
2. フローター選別
3. パルピング（果肉除去）
4. 48時間コントロールドファーメンテーション（タンク内、温度・pH・酸素管理）
5. 水で洗浄（ウォッシュド）
6. 乾燥

私たちが今最も注目している地域の一つ、コロンビア・トリマ県プラナダスから届いたイエローブルボンのご紹介です。プラナダスは2000年代初頭までゲリラの影響を大きく受けていた地域で、アクセスも簡単ではなく、今でも舗装されていない山道や小川を越えて4時間以上かけて農園に辿り着きます。
しかしその現地に足を運んだ者だけが知る、圧倒的な生産ポテンシャルと自然の豊かさがこの地にはあります。

今回ご紹介するロットは、プラナダスの高地に位置するFinca El Cedral（フィンカ・エル セドラル）のイエローブルボン。チェリーのプロセスを担当したのは、プラナダスで3世代にわたりコーヒーづくりを続ける家庭に生まれ、近年スペシャルティコーヒーの世界で頭角を現している生産者、ホルヘ・エリアス（Jorge Elias）です。

ホルヘは自身の農園「フィンカ・ラ・ロカ」だけでなく、近隣の農園から届く高品質なチェリーのプロセスも数多く手がけています。今回のロットでは、生産者のアンヘル・ロハス（Angel Rojas）はホルヘ・エリアスの弟であり、彼が育てたイエローブルボンを、48時間のコントロールド・ファーメンテーション（Controlled Fermentation）※好気性と嫌気性を使い分ける発酵レシピで丁寧に発酵させ、洗練されたウォッシュドプロセスで仕上げました。

イエローブルボン特有の明るく丸みのある甘さと、高地ならではのクリアな酸がしっかりと感じられる、美しいバランスのロットです。ホルヘのプロセス技術によって、その品種特性が最大限に引き出されており、カッピングではその完成度の高さに思わず唸らされました。

ホルヘは、2022年のCOEで初エントリーながら3位を獲得し、翌年も上位入賞を果たすなど、今や地域を代表する若手生産者のひとりです。私たちは彼と密にコミュニケーションをとりながら、アジア市場にフィットする発酵プロファイルの調整を行い、より一層品質を高めたコーヒーを届けるべく協力を続けています。
ちなみに、ホルヘの息子も地元で開催された子ども向けのカップテイスターズ大会で2位を獲得。親子で次世代のスペシャルティコーヒーを支える存在になりつつあります。